第十四回:2021年04月20日(火、昼休み)実施「劇ユニさんを連れてきた。」第四回(ゲスト:下山明彦さん)
更新日:2021年5月13日
参加人数:15名
4回目の「劇ユニさんを連れてきた。」を開催。ゲストは東大教育学部卒業生で、現在東京藝大修士課程1年の下山明彦さん。
主な会話内容
自己紹介
・広島県
出身
・東大に文科一類で入学
・UTBASEやAFPLA(Asian Future Political Association )、HCAP(Harvard College in Asia Program)などで活動
・トビタテ留学ジャパンに参加し,フィリピンで教育ボランティアに携わる
・インドで10日間瞑想修行
・「トウダイカイギ」で細野先生と出会う
・休学から復学し、2年生での進路どうする問題に直面。就活で有利になるように数多くのコンペティションに出場し,それぞれで日本一になる
・文学部宗教学科へ
・インドで親に仕送りを止められ、賞金稼ぎ的にコンペに出てそれを投資に回していた
・魑魅魍魎がたくさんいる中で詐欺に遭わないように、東大生で仮想通貨メディアを始めたところ、あまりの忙しさに勉強ができず、教育学部に転学部
・その後会社に集中し、最近6億円で売却
・現在はSenjin Holdigsで社長を務めつつ、藝大の修士課程に所属
・ビジネスをするときには既存のお金の流れに接続する必要があり、突飛なことはできない。それ自体はいいけれど、SF的に世界を回す力も同時に必要で、それがあるとアイフォンとか作れたりするんだろうなと。アート作品を作ったり企業を運営したり、それを高い領域でするために今藝大にいって天才たちに揉まれている。
・漫画とポーカーが趣味で、ギャンブルの強い家系。去年ポーカーで日本人3位くらいになった
Q:どのようなサークルに入っていましたか
A:UTDS(東大英語ディベート)AFPLA、高山ゼミなど、いろんなサークルに入っていた。HCAP(ハーバード大生と交流するサークル)も有名。おすすめです。
Q:藝大にどうやって入学したのですか?
A:今行っているコースの人数は40名程度。
学部は実技があるけれど、院は簡単かというとそうでもなく、美術デザイン選考等を受けなくてはならない(外部からの進学の倍率は15倍で、8割が藝大内部の人)。
試験の科目は、作品ポートフォリオ提出・展示と、面接があり、大事なのは絵というよりコンセプトと本気で入る気持ち。そして、少なくとも学部の人は絵が上手であることが大前提。
Q:試験当日の面接の様子は
A:主人公が美大を目指す「ブルーピリオド」という面白い漫画があるのだが、本当に作中そのまま「これって本当にこれを作りたいの?」という質問をされる。それに対し、「これはあり」だということをプレゼンするという圧迫面接が1分くらいある。
展示をして、これはアートじゃないと思うと言われたのだが、本当に価値があるかについてバトらないといけない。
スペキュラティブデザインというものがある。近代のデザインは問題解決や最適化を目指すのに対して、スペキュラティブデザインは思索デザイン・問題提起をするデザインである。
具体的な例としては、スプツニ子!さんという方の、「生理マシーン」がある。これは、器具を男性に取り付けて生理体験をさせるという製品化ツアーで、鑑賞者に考えさせるためだけにそれを作るというアート。
Q:仮想通貨ってどんなものですか
A:仮想通貨は外部化された信頼である,外貨を対象化したもの。
アイドルのペン等、特定の人にとって価値がある
ものに価値をつけることができる。これがNFT。自分が価値を感じている、幼稚園児にとっての自分の作った泥団子などは市場では価値がない。そういったものを取引する世界の想定
Q:一年生に伝えたいことはありますか
A:知的な好奇心を大切にしてほしい。知るとあたらしい世界に接続するから。
その一方で、東大に入学すると周りに優秀な人間が多いのでそこに圧力を感じているのではないか。自分自身も広島出身で、特に意識高いサークルに入りまくってやろうとしていた。
「大事だと言われてるからこれをやろう」というように、安易に他人の価値観に乗ってスキルセットの獲得をやってしまいがちだけど、それでは人が作った場所で戦うことになってしまう。
適当につまんでをやっていい時期だから適当にでもやってみて、合う/合わないを感じてフィーリングでやってみるのがいいのかなと。
知り合いも自分自身も、大学一年のときになろうと思ってた自分にはなってない。
ずっと外務省に行くと言って行っている人はいないし、いたとしたらその人は素敵だけど、変わることを恐れずにやってみても良いのではないか。
コンサルがすごいとか起業しないととか留学しないととかに縛られず、焦らずにいろんなことを好き勝手にすればいいと思う。
そして、大学1年生の時じゃないと仲良くなれない人=専攻が全く違う人たちもいる。専門領域に関わらず話せる人を作るのはそれはそれで価値がある。
R:とりあえず一年生は暴れ回ればいいと思う
Q:インドには7〜8ヶ月いたとのことですが、お腹大丈夫でしたか
A:フィリピンの離島で、外食のない場所があり、ハエがたかってるような物を食べて入院した。保険に入っておくと、いい部屋に泊まれて美味しい病院食があったのでQOL上がった
R(先生):インドは犬が怖いイメージがある。数日でお腹もやばくなった
A:バイオハザードみたいな犬がいる
Q:6億で会社売却したとのことですが、そのお金はどうしたのですか
A:株の売却分が、自分に入ってきた
学者になろうとして、「文系の学者は経済的にきつい」というのをみていたので、どうしようかなと思っていた。そして、一旦大金があったら好きなことできるので、3年以内に6億円手に入れようと思い起業した。勉強もするし、本も書くし、メインは起業家として生きていこうと思っている。
Q:将来はどんな風になりたいのですか
A:レオナルドダヴィンチみたいになりたい。博士号も取りたいけれど会社経営もやりたいし、作品も作りたい
R(先生):わがままだけど叶えようとしてるわけですね
A:全部取りできるんだって思える世界の方が良くないですか。
知り合いの女性起業家が、「女性の起業家で育児と企業を両立している人はいない。そのせいで、男性的な闘い方をしないといけないことがあるけど、海外だとそういうこともなくて、両立してる人がいるんだとしたら、全部取りできるってことを広めていかないと」いってて。
これからの世代がそれを選べるようにそういう強強人材になりたいなって。両立は大変ですけど、片方だからって大変なことに変わりないので。
Q:何か活動をするときの仲間集めは大変だと思うのですが、起業のときにはどのように集めたのですか。
A:すごくシステマティックに言うと、やろうとしていることを認識してもらう・興味を持ってもらう・参加してもらう。認識してくれる人の数と、共感してくれる割合を調整できる。
・どれだけ認識してもらえるか:全ての大学一年のクラスラインにバイト・勉強会募集を投げると、6000人が既読になる。
・どれだけ共感してもらえるか:自分が関わることによってどんな未来があるのか想像してもらう。「あの時仮想通貨に詳しかったら今億万長者になれてた可能性、次の可能性に対して詳しくなってトレーダーになれます」とか「学生ベンチャーが成長してます」とか、未来が一致するってことを見せてあげる。
R(先生):やっぱり研究でも一人ではできない。どこかの病院にいって検査して調べてもそれは一つのデータでしかなく、いろんな先生のとこに行かないとできない。人が大切なんだなって。
Q:起業の方針として、経済学部の知識はいらない?
A:理系で研究領域で起業するなどの場合には成功するかもしれない。経済学部に行ったら成功するという相関はなくて、得意な分野で起業すると成功する。
企業の成功には領域があって、攻め方もある。それについて詳しくなるためにマーケティングを学ぶというのは、自分としては違う。経済学自体に意味はあるけれど、起業のためにというのは違っており、興味に費やすのがいい。
