第九回:2021年03月02日(火、昼休み)実施「劇ユニさんを連れてきた。」第二回 (ゲスト:弓場大嗣さん)

「劇ユニさんを連れてきた。」第二回 (ゲスト:弓場大嗣さん)

参加人数:9名

今回は2回目の「劇ユニさんを連れてきた。」を開催。ゲストは現在後期教養学部4年の弓場大嗣さん。

主な会話内容:

ご経歴

現在38歳。高校卒業後、東北大学の医学部に入学。その後退学と5年間の勤務を経て東大を受験。現在は後期教養学部4年に在籍している。

医学部での体験

勉強が割とできたからそこを目指してしまった。医学部は人付き合いの中で過ごさないといけない状況。医学部には自分の意志ではなくなんとなく入ってしまったので、周りとあまりうまくいかなくなった。休学を挟んだ。本当は教育をやりたかった。

医学部を退学して

5年間働いていた。そもそも数式をじっくり考えて解く、みたいなのが好き。医学部は暗記系がどちらかというと多いので…大学中退は体裁悪いので東大受験を決めた。仙台で働いており、東大を受験。1回目の入試は落ちてしまった。東京に出てきて働きながら受験勉強をして1年。その後合格!理1で入学した。

東大入学・現在の暮らし

子供の出産が去年の10月で、子供中心に動いていた。仕事と子供が1,2にあって、新しいプロジェクトとして、教育系の動画を作る。16号館に松田研があって、素粒子の研究。東海に行く機会もあったけど、子育てがあるという事情を配慮してもらい研究は駒場内で完結する。

これまでの経歴は、自分の中ではそこまで異色ではない。

Q:異色じゃないと自分では言ってるけど、多くの大学生が卒業後にそのまま新卒で就職、というルートを辿る中で不安とかはないんですか?

A:異色じゃないという表現をしたのは、ドロップアウトはしているけど、特別変わったことはしてないから異色ではないと表現した。普通の人が走っていくレールとは違うから不安は付きまとっている。たとえば就活は新卒ではできない。

今の職でもある。自分はハンディキャップ?ではないけど普通の人と同じにはいかないので、教育関係の仕事を請け負うときは耳にしたときに早めに動いた。本来「週に2本とかでもいいよ」って言われていたけど、俺は4やります!ってぐいぐい行きました。

Q:医学部の勉強って特殊?後期教養の専門科目をやるにあたって医学部の知識は活きているか?

A:例えば、Y先生の授業はバシバシ落ちる人が多いけど、医学部の知識があったから。息抜きな感じに認知行動の授業は受けていた。

Q:医学部って面白そうなのに暗記ばっかり?

A:遺伝子配列を解析していて、NDRGっていう遺伝子。それは楽しいと思っていた。だけど、医学部について回るのは国家試験。Y先生の授業で落とされていたのが、MRIについて知っていることを述べよというざっくりとした問題だったんだけど、やっぱり知っていると書けることは増えていく。

R:じゃあ医学部で得た知識は活きていて無駄じゃなかったんですね。

A:確かに医学部全体っていうのは雑だったけど…無理しても仕方がないっていうのは。目標達成にあたって無理せざるを得ないこともあるだろうが、自分は無理せずに過ごして生きて行けている。「なんとかかんとか生きているよ」っていうのをメッセージとして届けたい

Q:なぜ医学部をやめたか?

A:そもそもモチベが高くなかった。けど入ったら入ったで面白かった。けど偏差値高いとこと低いとこはピンキリ。薬理学はとても苦労した。どの薬がどこに効くとか覚えるのが大変だった。大学によって山場となる科目が違う。東北大学は薬理学や病理学。山形大学は解剖学で落とされる。

Q:どうして後期教養を選んだのですか

A:数学物理をちゃんと勉強したかった。物質基礎科学、数理自然科学、認知行動科学。生命科学。飽き性だから面白い授業をとれるかなって。認知の授業で息抜きをしたり。

統合自然の面白いとこは、卒論はない。卒業研究をやって報告書はあるけど、卒論ほどかっちりはしていない。あと、理物が難しかったということもある。

Q:医学部中退とか、そのあとの動機はわかるが、素粒子の研究がかっこいいと思う反面、教育・仕事にはつながらないのではないか。何がモチベーションになっているのか。

A:教育に関することは少し勉強したし、教育には携わりたかったけど、自分が納得した状態で生徒の前に立ちたかった。物理と数学で授業しているから。世の中どうなってるんだろうって考えたときに、物質の成り立ちをミクロな世界で見るってなったら素粒子にたどり着いた。

Q:弓場さんの親御さんは医療関係者であるとのことだが、弓場さんは医学部に入ってドロップアウトした→周囲の反響は?自分(質問者)ならば、自分の道を選ぶ勇気を持てない。

A:常に葛藤はある。でも、やりたくないことをやり続けることはできない。中退した後に5年仕事していたけど、職場を転々としたり、ギャンブルで食べてる時のほうが稼ぎがいい時期があった。家庭教師しながらギャンブルやって5, 60万稼いでた時期もあったし…親と隔絶していた時期もあった。

Q:どういう系のギャンブルですか?

A:パチンコとスロットがあって、スロットが稼げる時代だった。台の設定が存在して、期待値が高く設定されている台を回すと稼げる。

Q:自分(質問者)は量子力学をやりたい。社会学と量子力学の関係?すぐ興味が散ってしまい、このままだと大学にあと何年いることになるのだろうかと思うんですけど

A:一般論としては、一回早く社会の場に立ったほうが良い。自分の資質が社会に役立つかどうかが分かるから。僕自身が思うのが、興味が散って当然だと思う。高校で本当い

興味を持ったものに手を出していって、そして本当にこいつとずっとやっていきたいなっていうものに出会えた時はそれにどっぷりでいいと思うし。

Q:医学部を止める時にコンコルド効果(これまでの投資分を惜しみ、投資を継続してしまう心理的傾向のこと)はなかったのか?

A:対価は求めてない。自己満足のための勉強である。しかし、そこでスポンサーだった親は困っていた。医者の先生に良くしてもらっており、手術等に立ち会わせてもらった結果、医学部に合わないところがあると分かった。

Q:逆に教え子に、数学勉強してなんの意味があるの?とか、興味がわからないから進路を決められない…ということを聞かれたら今の弓場さんはなんて答えますか?

A:高校までの勉強は、地頭を鍛えるためではないか。科目(例えば数学など)ごとの勉強の仕方を知る。それが、大学や大人になった時に生きるのではないか。

Q:医学部に折角入ったのだから、医師免許は取った方が将来の保険になるだろうと思ってしまう。だから、医学部中退の勇気は自分にはない。

A:国公立の医学部は似ている気がする。人によって合うレール合わないレールがある。

理Ⅲに入って医師免許を取得して…というのはは多くの人にとって合うレールなのではないか。自分は、走り回るよりもっと楽なことがないかな、と思った。(手術に朝8時くらいから夜22時くらいまで立ち会った体験)

Q:折衷的なところ(医学の文脈で、生物物理を追究するなど)を探せばいいのかなと考えているのだが...

A : 時代によって、目につく科目があるかもしれない。それを見つけていきたい。

Q:「早く社会に出たほうがいいよ」という話と先ほどの話を総合して、やる後悔とやらない後悔のどちらのほうが強く残り続ける?

A:社会に出たことによる後悔は、「昔好きな人がいたなあ」くらいの後悔

  社会に出ない後悔は、周囲が前に進んでいるという目に見える後悔

→社会に出ないという選択にはそれなりの覚悟が必要そう


*Q:質問 A:答え R:リアクション(反応)






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